独立宣言

#アメリカ人の物語 独立記念日と言えばジェファソン。ジェファソン自身が独立宣言をどのように思って書いたのか、そして、独立宣言草稿から削除された重要な内容。
「不正を正すために武力に訴えざるを得なくなった時、国際世論に訴えることが我々[の行い]を正当化するために適切であると思われました。これがアメリカ独立宣言の目的でした。[アメリカ独立宣言の目的は]それまで考えられたことのないような新しい原理や新しい論拠を見つけ出すためではなく、また単に従来、言われたことがなかったことを語るためでもなく、[独立の]問題に対する共通認識を、できるだけ分かり易く確実に、同意を得られるように人々に示すためであり、そして、我々がやむを得ず取った独立の立場を正当化するためでした」

 大幅に削除された部分は以下の2点。まず奴隷貿易に関する文章が削除された。

「彼[イギリス国王]は、彼に何も危害を加えたことがない遠方の人々を捕らえて、西半球に送って奴隷とし、または、その輪送途上で惨めな死に至らしめ、こうした人々にとって最も神聖な権利である生命と自由とを侵害するような、人間性そのものに対する残虐な戦いを行っている。この海賊のような戦い、軽蔑に値する不信心な権力行使がキリスト教徒であるイギリス国王の戦争なのである。人間を売買するための市場を開放し続けようと、彼は、この忌まわしい通商を禁止、または制限しようとする[植民地]議会のあらゆる試みを抑えるために拒否権を悪用した。そして、このような一連の恐るべき行いにもまだ飽き足らず、彼は我々の間にいる奴隷を指嗾して反抗させ、彼が奴隷を押し付けた人々を殺すことによって、彼が奪った自由を奴隷に購わしめんとしている。すなわち彼は、以前、黒人の自由に対して犯した罪を、他の人々の生命を脅かすように促すという犯罪によって償おうとしている」
上記の部分が削除されたことについて、後にジェファソンは、「[イギリス国王が]アフリカの住民を奴隷化したことを非難した項目も、サウス・カロライナとジョージア[の主張]に従って削除された。サウス・カロライナとジョージアは奴隷輸入を控えようと全くしないどころか、それを続けようと依然として望んでいる。我が北部の同胞達も、あのような[国王に対する]非難の下でちょっとした痛みを感じているだろう。というのは、北部の人々も、奴隷を自ら所有する数は少ないとはいえ、他の人々に奴隷を運ぶ役割を大いに果たしているからである」と語っている。
 イギリスについて少し弁護しておけば、かなり後の話だが、イギリスはアメリカと協力して奴隷貿易廃止に向けて取り締まりをしようと呼び掛けている。
 さらに次の箇所も削除されている。イギリスとの決別を強く示した箇所。最も独立宣言らしい箇所なのだが・・・・・。
「法の通常の手続きを通して、我々の調和を乱す者を彼ら[イギリス人]の議会から除くべき機会が訪れても、自由選挙によって彼らはそうした者達を元の地位に復帰させた。まさに今、彼らは、彼らの主君が我々を侵略し破滅させようと、血を同じくする兵士だけではなく、スコットランドと外国の傭兵を派遣しているのを黙認している。こうした事実は、苦しみに満ちた愛情に対する最後の一撃であり、精神は非情な同胞と永遠に別れを告げることを命じる。我々は、彼らに対して抱いてきた以前の親愛の情を忘れ、人類のその他の人々と対するのと同様に、戦争においては敵、平和においては友と見なすように努めよう。我々はともに自由にして偉大な国民であった。しかし、高邁で自由な交渉は、彼らの品位を汚すもののようである。彼らは報いを受けるであろうから、それならそれでよい。幸福と栄光へ至る道は我々にも開かれている。彼らと別れて、我々はその道を辿ろう」
また、この部分の削除についてもジェファソンは、「イギリスには関係を継続する価値がある友人がいるという気弱な考えをいまだに多くの人々が心に浮かべていた。イギリス人の気分を害さないようにするために、イギリスの人々に対する非難を伝える文章が削除された」と述べている。