歴史家はどのように史実を検証しているのか

 史実の検証をどのように行うか。おそらく一般の方々には最も分かりにくい点だと思う。例えば私はジョージ・ワシントンが1789年に行った巡行についてその日程を明らかにしている。その結果は以下のようになる。一度、どのようなものか見て欲しい。



 さてこうした詳細な日程をどのようにして明らかにしたのか。種明かしをしよう。
 第一級史料はジョージ・ワシントン本人の日記や手紙。議会に示した日程表。それを見ればだいたい分かる。
 ただ問題として本人が書いているからと言ってその内容が正しいとは限らない。そこで傍証として他の史料を確認する。
 他の史料とは何か。当時の新聞や個人の日記や手紙である。ワシントンが街に来たという記事や様々な個人が日記や手紙でワシントンについて言及している。
 一番楽なのは史料集成の中にそうした記録が含まれている場合。史料集成とは歴史家などが史料を集めて編纂して刊行してくれているもの。値は張るが史料を探し回る手間が省ける。
 ただ史料集成に含まれていない史料もある。そのような場合、どうするか。
 地元の歴史協会に照会の手紙を送る。そんなことを調べている日本人などまずいないから概ね親切に教えてくれる。自分の目で確認したいものがあれば当然、現地に行く。
 ◯野さんが「学者とは、他人の書いたものを研究する人です」と言っているがそんなに単純ではない。確かに他人の書いたものを読む。ただしそれだけではない。史料を突き合わせ比較検証して何がより真実に近いか考える。むしろそっちの作業のほうが大事。
 歴史を本気で調べると、手間も時間もお金も莫大に掛かる。だから私は電子書籍も売るし、自分のサイトに広告も貼る。そうして一般の方々からお金をもらっているから当然、一般の方々に得られた知識を還元する。