AIと歴史研究

 将棋の世界では、AIに五万通りの棋譜を読み込ませ、さらに七〇〇万回の対局を経験させたという。その結果、もはや人間では太刀打ちできなくなった。
 教師データさえあればAIはそこから人間が思い付かなかった解を導き出す。歴史研究にも応用できないだろうか。
 歴史研究は書かれた物や記録された物をもとにしている。例えば世界史をすべて一次史料を使って再構築することは人間にはできないことだが、AIの処理能力であればそれが可能だ。
 またアメリカ史でも建国の父祖達が残した記録をすべて読んでその関係性を完全に読み解くのは人間の処理能力を超えるが、AIなら可能だ。もしやってみれば、新しい人間関係が見えてくるかもしれない。
 もちろん教師データを読み込ませなければならないが、そもそも歴史は文字を基本とするのでAIの得意分野かもしれない。
 例えば現在、「プリンストン」と呼ばれている街は、昔、「プリンス・タウン」とも呼ばれていた。いつ頃から「プリンストン」に統一されたのか調べる場合、古地図や新聞やその他の公文書を丹念に見る必要があるので人間は時間がかかる。でもAIであれば教師データさえ読み込めば、すぐに解を導き出せるだろう。
 歴史の解釈はもちろん人間が行うのだが、その解釈のもとになるデータの処理はAIがアシスタントとして行う。そうした歴史研究が将来、できるようになるのではないか。