「諸君、我々が置かれた状況に気付いていると思う。かつて起きたこととまったく異なることだ。かつて我々は幸福な人民であった。自由が我々の大地を照らし、太陽のようにはるか向こうの土地を輝かせていた。我々と我々の父祖達は森を賑やかにする鳥のように喜んでその光の恩恵を受けてきた。しかし、ああ、黄金の日々は過ぎ去り、戦雲が今、暗く我々の頭上に垂れ込めている。かつて平和であった我々の大地は喧騒と死に溢れている。外国のならず者達が我々の炉辺と祭壇を踏み荒そうとしている。我々には隷属か死かの他に選択肢は残されていない。2つの勇敢な部隊が我々を救援しにやって来たが両方とも敗北した。リンカン将軍配下の部隊はサヴァナで打ち破られた。そして、ゲーツ将軍配下の部隊も愚かにも軍を進め過ぎてキャムデンで散り散りになった。したがって、北から救援が来るという我々の希望は終わりを迎えた。哀れなカロライナは自分自身で戦うしかない。彼女[カロライナ]の子供達が愚かにも敵と通じ、彼女のために1,000人に1人も立ち上がらないのであれば、悲しい選択肢を採るしかない。諸君、この重大な問題について意見を聞きたい。私自身は、人生は束の間かもしれないが、その束の間の時間のすべてを責務に捧げようと思っている。この無防備な国を隷属の悪弊から守ることこそ私の最大の責務である。したがって私は、私が生きている間、彼女[カロライナ]を奴隷にさせることはないと決意している。彼女は惨めな状況に陥るかもしれない。しかし、この私の目はそれを見ることは決してない。私の目の前で彼女が鎖の音を響かせることはない。そして、『あなたの臆病な心が私をこのような状態に置いたのです』と書かれた恥ずべき名札を示すこともない」
フランシス・マリオンの演説
独立戦争でイギリス軍相手にゲリラ戦を展開して「沼地の狐」と恐れられたフランシス・マリオンの演説。キャムデンの戦いで大陸軍が壊滅した時に兵士達を再び奮起させた。