同じ時代、同じ場所を見ても感想が違うこと。1751年にバルバドス島を訪れたジョージ・ワシントンの日記と1774年に同じバルバドス島を訪れたニコラス・クレスウェルの日記を比べると着眼点が違う。23年のずれはあるけどほぼ同じ時代と考えてよいだろう。面白い点は、クレスウェルが奴隷について詳細に書いているがワシントンは奴隷についてあまり書いていない点。クレスウェルにとって奴隷はもともと馴染みのないものであり、ワシントンにとって奴隷はありきたりで特筆すべきものではないからだ。つまり、その人にとって何が心を動かすものであったかで日記の内容は変わる。ワシントンが日記で「ドルフィン」を食べたと書いているんだが、説明が少なくイルカなのかシイラなのかよく分からない(イルカもシイラもドルフィンと呼ばれていた)。どうやらクレスウェルの日記によればシイラのことらしい。