フロンティアの女性が逞しすぎる

時代は1763年、ポンティアック戦争が起きた時で場所はオハイオ地方。当時の記録による実話。

 危機が迫る中、ピット砦と東にあるリゴニアの中継地を預かるアンドリュー・バイアリーのもとに農園を襲撃されて被害に遭った者達が警告にやって来た。バイアリーは農園で殺された者を葬る手伝いをすることを申し出た。丸太小屋には妻のフィービと4人の子供達が残された。フィービは3日前に子供を産んだばかりでとても動ける状態ではなかった。 夫が出掛けてしまった後、丸太小屋に1人のネイティヴ・アメリカンの戦士が姿を現した。無防備なフィービと子供達を早速、襲撃に来たのだろうか。しかし、戦士の顔は穏やかであった。そして、フィービもその戦士の顔を知っていた。時々、丸太小屋の前を通る戦士にフィービはミルクやパンなどを与えていたのである。ここに残っていては危ないことを戦士は伝えに来たのである。そこでフィービは走り書きを丸太小屋の扉に貼り付けると子供達とともにリゴニア砦に向かった。それにしても何と気丈な女性だろうか。腕には生後3日の赤ん坊、背中には2歳の幼児を背負って馬の手綱を捌き、道なき荒野を逃れるのは並大抵のことではない。残りの2人の子供は3歳と12歳の男の子であった。2人は乳牛を何とかして連れて行こうとしたのだが、ネイティヴ・アメリカンの不気味な鬨の声が響いて来たので諦めざるを得なかった。暗い夜の森の中を抜けて親子は無事にリゴニア砦に着いた。恩義を忘れないネイティヴ・アメリカンの戦士の忠告がなければいったいフィービと子供達はどうなっていただろうか。

普通の健康状態でも4人の小さな子供を連れてフロンティアを抜けるのはすごいが・・・・・。 子供もお母さんに協力して乳牛を連れて行こうとするところがすごい。恩義を忘れないネイティヴ・アメリカンの戦士も立派。