英単語の覚え方の違い

 学生に話を聞いていると単語帳を使って英単語を覚えていたらしい。英語の受験勉強はそういうものらしい。単語帳を使って英単語を覚えると以下のようになってしまう。

単語1(日本語)⇒英語1
単語2(日本語)⇒英語2
単語3(日本語)⇒英語3

 つまり、これは一つ一つの言葉に対応する意味を割り振っているだけ。その結果、どうなるか。英文を読む時に困る。なぜなら英単語同士の関連性を覚えていないのだから。例えば私は次のようなモデルで単語を覚えている。と言っても無意識にこれまでやってきたんだが。たくさん英文を読むと自然に分かってくるというか。
 つまり、単語群をカテゴリーとして覚えている。円の中にいろいろな単語が入る。要素別に整理して英単語同士の関連性を覚えている。ちょっと意味が違うかもだがcollocationってやつだろうか。ぶっちゃけ日本語の訳語は特に覚えていなかったりする。だって英語は英語で読めれば問題がないから。

 ある話題について、例えばアメリカ経済のFRBの動向とかいう話になると使われる名詞や動詞のグループはある程度、限定される。そういうセットが頭に入っていれば英文を読むのが楽になる。

 日本語⇒英語を一語一語覚えると和訳に役立つように思えるかもしれないがそうでもない。簡単な英文ならそれで通用する。でも難しい英文だと無理になる。なぜなら日本語と英語の構造は異なっていて本来、そのまま翻訳できないからだ。すると以下のような過程を適用するしかない。

 英語の構造と意味を英語で理解する⇒それを新たに日本の構造と意味で書き換える。英語力と日本語力が別個のものとして問われる。英語ができても日本語訳がすごく下手という人がいるのはこのため(英語力があって日本語力がない)。

 また日本語力に問題が無くても英文の翻訳がうまくできない人は逐語訳をやろうとするからできないのかもしれない。単語帳は使ってもよいかもだが、覚えるためではなくてチェックのためだけでよいと思う。この単語知ってたかな程度の。