ミュージカル『ハミルトン』歌詞解説5―The Schuyler Sisters 和訳

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BURR: 

There’s nothing rich folks love more Than going downtown and slummin’ it with the poor. They pull up in their carriages and gawk At the students in The common Just to watch them talk. Take Philip Schuyler: The man is loaded. Uh-oh, but little does he know that His daughters: Peggy, Angelica, Eliza Sneak into the city just to watch all the guys at―

「下町に行って貧しい人々と一緒につつましく過ごしてみるのはお金持ちの最高の道楽さ。馬車を停めて広場で話している学生達をぽかんと見ているだけ。フィリップ・スカイラーを見ろよ、たんまりお金を持っているが、三人の娘たちがこっそり町に出て男どもを品定めしているのをご存じない」


The Schuyler Sisters―Angelica, Eliza & Peggy―enters.


解説:18世紀のニュー・ヨーク(地図は独立戦争後のもの)はマンハッタン島の南端部にのみ市街があった。当時の人々はどのように町を認識していたのか。順番に解説する。なぜならこの歌詞はミランダによれば「ニュー・ヨークへのラブレター」だからである。

赤実線部は富裕層が住むエリア(独立戦争中の大火で焼失)。赤点線部はいわゆるダウンタウン(町の中心部)でニュー・ヨーク市内で当時、最も有名なフロンシス亭はここにある。黄色四角はハミルトンが通っていたキングズ・カレッジ(現コロンビア大学)。黄色点線部はホーリーグラウンド(歓楽街)でトリニティ教会の借用地であることからその名が付いた。青実線部は職人が多く住むエリア。そして、緑実線部は貧しい人々が住むエリア。

馬車、特に箱馬車は富の象徴。その多くは輸入物で非常に高価だった。ただニュー・ヨーク市内はほとんどの場所が徒歩で移動できる圏内であった。

スカイラー三姉妹の父であるフィリップ・スカイラーは、ニュー・ヨーク植民地の有力者であった。当時のニュー・ヨークは、少数の名家が広大な土地を所有する一種の大土地所有制度が根付いていた。

スカイラーは、スカイラーヴィルと呼ばれる製粉所を中心とした一種の工業団地を所有していた。経済に明るく、義理の息子になったハミルトンが商工業中心の国家構想を持つようになった一つのきっかけとなった。独立戦争では将軍としてニュー・ヨーク方面で戦うが、病気になったり、政治的対立に巻き込まれるなどして顕著な功績を上げられなかった。

門地がないハミルトンにとってスカイラー家と結び付くことは、大きな政治的資産になった。

スカイラー三姉妹は、長女アンジェリカ(1756年生まれ)、次女エリザベス(イライザ)(1757年生まれ)、三女ペギー(マルガリータ)(1758年生まれ)である。三姉妹は美しいという点では共通していたが、性格はまるで違っていた。長女アンジェリカは非常に社交的で教養に溢れていた。一歩前に出ることを恐れない性格だ。その快活さと陽気さ、そして、時には男を手玉にとるような女性らしさはハミルトンを強く惹きつけた。

次女イライザは、活発で芯が強い女性であった。しかし、一歩後ろに退く謙虚で慎み深い性格であった。 ただ譲れないことは頑として譲れない強さを持っていた。

三女ペギーはイライザとは対照的でうぬぼれが強く軽はずみなところがあった。とはいえ姉イライザと同様に芯の強さも持ち合わせている。


COMPANY: 

Work, work!

「どんどんいけいけ」


ANGELICA: 

Angelica! 

「アンジェリカ」


COMPANY: 

Work, work!

「どんどんいけいけ」


ELIZA: 

Eliza! 

「イライザ」


PEGGY: 

And Peggy! 

「それとペギー」


COMPANY: 

Work, work! The Schuyler sisters!

「どんどんいけいけスカイラー姉妹」


ANGELICA: 

Angelica! 

「アンジェリカ」


PEGGY: 

Peggy! 

「ペギー」


ELIZA: 

Eliza! 

「イライザ」


COMPANY: 

Work! 

「いけいけ」


PEGGY: 

Daddy said to be home by sundown.

「父さんは日没までに家に帰るように言っていたわ」


ANGELICA: 

Daddy doesn’t need to know.

「父さんなんて知らないわ」


PEGGY: 

Daddy said not to go downtown.

「父さんは日没までに家に帰るように言っていたわ」


ANGELICA: 

Like I said, you’re free to go. But—look around, look around, the revolution’s happening in New York.

「いつも言っているけどあなた達は自由にどこへでも行けるのよ。でも周りをよく見て。ニュー・ヨークで革命が起きているから」


解説:独立運動が最も盛んであった都市はボストンである。ただイギリス本国との対立が深まるにつれてニュー・ヨークも独立運動の動きに巻き込まれていく。


ELIZA & PEGGY: 

New York.

「ニュー・ヨーク」


COMPANY: 

Angelica,

「アンジェリカ」


SISTERS & COMPANY: 

Work! 

「どんどんいけいけ」


PEGGY: 

It’s bad enough Daddy wants to go to war.

「戦争に行きたがるなんて父さんは馬鹿げているわ」


解説:独立戦争最初の本格的な戦いであるレキシントン=コンコードの戦いが起きた後、大陸会議の下、大陸軍(全植民地共通の軍)が結成され、ジョージ・ワシントンが総司令官に任命された。それと同時にスカイラーも将軍に任命され、大陸会議が開かれていたフィラデルフィアから旅立った。ワシントンが最前線のボストンに向かった一方でスカイラーはニュー・ヨークに残って本国支持派の動向に目を光らせた。


ELIZA: 

People shouting in the square.

「広場で人々が叫んでいる」


PEGGY: 

It’s bad enough there’ll be violence on our shore. 

「私たちの土地で暴力沙汰になるなんて最悪だわ」


ANGELICA: 

New ideas in the air,

「新しい思想が飛び交っているわ」


ANGELICA & MALE ENSEMBLE: 

Look around, look around— 

「さあ周りをよく見るのよ」


ELIZA: 

Angelica, remind me what we’re looking for―

「アンジェリカ、私たちが何を探しているのか忘れないで」


ALL MEN: 

She’s lookin’ for me! 

「彼女は私を探しに来たに違いない」


ANGELICA and (COMPANY): 

Eliza, I’m looking’ for a mind at work! (Work, work!) I’m looking for a mind at work! (Work, work!)  I’m looking for a mind at work! (Work, work!) Whooaaaaa!

「イライザ、私は躍動する精神を探しに来たのよ(どんどんいけいけ)。私は躍動する精神を探しに来たのよ(どんどんいけいけ)。私は躍動する精神を探しに来たのよ(どんどんいけいけ)。ウォー」


SISTERS: 

Whooaaaaa! 

「ウォー」


SISTERS & COMPANY: 

Work! 

「どんどんいけいけ」


BURR: 

Whoo! There’s nothin' like summer in the city. Someone in a rush next to someone lookin' pretty. Excuse me, miss, I know it’s not funny But your perfume smells like your daddy’s got money. Why you slummin’ in the city in your fancy heels? You searchin’ for an urchin who can give you ideals? 

「ニュー・ヨークの町の夏ほどすてきなものはない。急いでいる者がいるかと思えば、かわいらしい人もいる。すいませんがお嬢さん、冗談じゃないんですが、あなたの香水は父上のお金のように匂いますよ。そのすてきなヒールで町に行くんですか。あなたに講釈を垂れる腕白小僧がお入り用かな」


解説:当時、アメリカでは入浴という習慣がほとんどなかった。特にニュー・ヨークという町は水の出が悪く井戸がほとんどなかったので市中では水の入手が困難であった。入浴する代わりに下着を替えることで清潔を保ったが、それでも限界があるので上流階級は香水を使うのが常であった。

現代の女性が履くようなハイヒールは当時から存在している。当時の街路は糞尿が至るところに放置されていたのでそれを避けるためにハイヒールが便利だったと言われている。

「講釈を垂れる腕白小僧」とは、革命について声高に叫んでいる人々のことである。こうした人々は最初はホイッグ(イギリスの政党名に由来)と呼ばれ、後にパトリオット、すなわち愛国派と呼ばれるようになった。


ANGELICA: 

Burr, you disgust me.

「バー、あなたにはうんざりだわ」


BURR: 

Ah, so you’ve discussed me. I’m a trust fund, baby, you can trust me!

「なあに君は私を十分に吟味しただろう。私は信頼の宝庫さ。かわいこちゃん、私は信頼できるだろ」


解説:ミランダは「これは私の妻が一番気に入っている部分である」と書いている。


ANGELICA: 

I’ve been reading ”Common Sense” by Thomas Paine. So men say that I’m intense or I’m insane. You want a revolution? I want a revelation So listen to my declaration: 

「私はトマス・ペインの『コモン・センス』を読みました。だから男達は言うわ。私が熱狂的とか正気じゃないとか。あなたは革命を望んでいるのね。でも私は啓示を望んでいるの。私の宣言をお聞きなさい」


解説:1776年1月10日、アメリカ史に残る1冊のパンフレットが発行される。トマス・ペインの『コモン・センス』である。

ペインの前半生はぱっとしない。いくつか職を転々としているが、どれもうまくいっていない。イギリス南東部にあるルイスの街でヘッドロング・クラブという政治クラブに入ったことがペインの命運を変える。ペインは政治談議が性に合っていたらしく、すぐに頭角を現す。

ある日、ルイスの街の徴税人たちから請願を書くようにペインは依頼される。そして、完成した請願を持ってロンドンに向かう。そして、ロンドンのコーヒー・ハウスでベンジャミン・フランクリンと出会う。いろいろと厄介事を背負い込んだペインは、イギリス本国に見切りをつけて、フランクリンの紹介状を懐にアメリカに渡る。そして、フィラデルフィアで執筆業を始め、『コモン・センス』で大当たりを得る。

『コモン・センス』とは何か。それは植民地とイギリス本国の戦いが、もはやイギリス帝国内の権利獲得をめぐる戦いから、植民地がイギリス帝国から独立を獲得する戦いに変わったことを高らかに宣言するものだ。植民地人は、国王がイギリス議会に騙されているだけで本当は慈愛溢れる君主なのだという幻想を抱いていた。ペインはそうした幻想を打ち砕き、独立こそ真の自由を手に入れる正しい道であると断言する。 

アメリカ人は『コモン・センス』をどのように受け入れたのか。著述家のエルケイナ・ワトソンは、「ペインの『コモン・センス』は発表されてから数週間で雷鳴のようにまたたく間に全土に広がった」と記している。ペイン自身の説明によれば、最初の100日間で12万部が売れたという。当時の印刷技術や流通経路を考えると、実数ははるかに少ないと思われるが、それでもたくさん売れたことは間違いないだろう。

『コモン・センス』が広く流通した要因の一つがアメリカ人の識字率である。アメリカ人の識字率はヨーロッパと比べて高かった。地域差や階層差はあるが、自由白人男性に限れば少なくとも七割の者が新聞を読んだり手紙を書いたりできる識字力を持っていた。その一方で女性は教育を受ける機会が少なかったので男性よりも識字率は著しく低かった。

アンジェリカのように政治的な内容を扱った本を読む女性は少なかった。政治は男性の領域と考えられ、女性が口を挟むのはあまり歓迎されなかった。一部の地域を除き、そもそも女性は学問に向いていないという考えが強く、学問を論じる女性は「ペティコートを着た博士」と揶揄された。したがって、アンジェリカのように政治を堂々と論じる女性は少数派であった。

『コモン・センス』が独立運動に大きな影響を与えたのはなぜか。後にカレッジ・オブ・ニュー・ジャージー(現プリンストン大学)の学長となるアッシュベル・グリーンは次のように回想している。  

すべての中で最も顕著な出版物は、ペインの『コモン・センス』であった。このパンフレットはこれまでに出版された他のどのような出版物よりも多く売れたと私は考えている。それは匿名で印刷され、その著者が判明するまでかなりの時間がかかった。その間に多くの版が重ねられた。新聞や居酒屋などあらゆる公共の場には決まって『コモンセンスが18ペンス[900円相当]で』という広告が踊っていた。[中略]。それは[アメリカ人の]琴線に触れたのだ。少し触れるだけで琴線は揺れ動いたのだ。独立の機は熟していて、ただ誰かが人民に決然と大胆にうまくそれを伝えるだけでよかった。


ALL SISTERS: 

"We hold these truths to be self-evident That all men are created equal." 

「真実は我らに在り。すなわち、すべての男性は平等に創られている」


解説:これはトマス・ジェファソンが起草した独立宣言である。「all men」が具体的に誰を示すのかはさまざまな解釈が成り立つ。

1、全人類

2、全男性

3、白人男性

そもそも独立宣言のこの有名な言葉はジェファソン独自の発想ではない。後年、ジェファソン自身は、独立宣言は自分の考えではなく、当時の人々が心の中で思っていたことを代弁しただけだと述べている。事実、独立宣言にある言葉は、それ以前に書かれた様々な文書の中に似たような表現がある。

ジェファソンは「スフィンクス」と呼ばれるように矛盾に満ちた人物である。全人類の普遍的な思想を説きながら、その一方で人種的偏見に満ちた文章を書いている。したがって、独立宣言のこの部分がいったいどのような意味を持つのか断定するのは非常に難しい。ただこの文脈では次につなげるために「すべての男性」と解釈することにした。


ANGELICA and (COMPANY): 

And when I meet Thomas Jefferson, (Unh!) I’m'a compel him to include women in the sequel! 

「私がトマス・ジェファソンに会ったら続きに女性を入れさせるわ」


解説:ミランダは「もちろん彼女はパリでジェファソンと会って後に手紙を交わしている」と述べている。

独立宣言起草委員会の一人であったジョン・アダムズは、妻のアビゲイルに独立宣言について手紙で知らせている。その時、アビゲイルは女性の権利も含めるように勧めている。この部分はそうした逸話を参考にしているのだろう。

新しい法体系を作る必要があると思いますが、女性たちのことを忘れないように強く望みます。そして、昔の女性たちに対してよりも、もっと優しく好意的になるようにして下さい。夫たちの手に無制限の権利を委ねてはなりません。もしなろうと思えば、すべての男性は暴君になれるのだということを忘れないで下さい。もし特別な配慮と関心が女性たちに払われないのであれば、私たちは反乱を企てることを決意するでしょう。そして、代表権を持たず、私たちの声を反映させることができない法律に縛られるつもりはありません。


WOMEN: 

Work! 

「どんどんいけいけ」


ELIZA: 

Look around, look around at how Lucky we are to be alive right now!

「周りをよく見て、周りをよく見て。今この瞬間に私たちが生きているのはとても幸運なのだから」


解説:ミランダは「これを私は自分に毎日、言い聞かせている。イライザにこれを言わせたのは素敵なことだった」と述べている。


ELIZA, PEGGY: 

Look around, look around at how Lucky we are to be alive right now!

「周りをよく見て、周りをよく見て。今この瞬間に私たちが生きているのはとても幸運なのだから」


ALL SISTERS: 

History is happening in Manhattan and we Just happen to be in the greatest city in the world!

「歴史はマンハッタンで起きている。私たちは世界で最もすばらしい町に居合わせている」


解説:実際、当時のニュー・ヨークは北アメリカの中でも最大の都市ではなく、もちろんロンドンやパリに人口では遠く及ばなかった。


SISTERS & COMPANY: 

In the greatest city in the world! 

「世界で最もすばらしい町で」


ANGELICA (ELIZA, PEGGY) ((MEN)): 

Cuz I’ve been reading "Common Sense" by Thomas Paine. (Look around, look around)((Hey, Hey, Hey, Hey)) So men say that I’m intense or I’m insane. (The revolution’s happening in―)((Hey, Hey, Hey, Hey)) 

「トマス・ペインの『コモン・センス』を読んだせいで男達は言うわ。私が熱狂的とか正気じゃないとか(革命が起ころうとしている)」


ANGELICA (ELIZA, PEGGY) ((WOMEN)): 

(New York!) You want a Revolution? ((Look around, look around)) I want a revelation (In New York!) So listen to my Declaration ((the Revolution's Happening)) 

「(ニュー・ヨーク)あなたは革命を望むの(周りをよく見て、周りをよく見て)。私は啓示を望んでいる(ニュー・ヨークで)。だから私の宣言をお聞きなさい(革命の勃発)」


ALL SISTERS (WOMEN) ((MEN)): 

We hold these truths to be self evident (Look around! Look around!) ((Hey,!Hey!) That all men are created equal (At how lucky we are to be alive right now!) ((Hey! Hey!)) 

「真実は我らに在り(周りをよく見て、周りをよく見て)。すべての男性は平等に創られている(今この瞬間に私たちが生きているのはとても幸運なのだから)」


ALL SISTERS & COMPANY: 

Look around, look around at how lucky we are to be alive right now! History is happening in Manhattan and we just happen to be 

「周りをよく見て、周りをよく見て。今この瞬間に私たちが生きているのはとても幸運なのだから。今、歴史がマンハッタンで起きようとしている。そして、私たちは・・・」


WOMEN (MEN): 

In the greatest city in the world. (In the greatest city―) 

「世界で最もすてきな町に居合わせている(最もすてきな町)で」


COMPANY: 

In the greatest city in the world! 

「世界で最もすてきな町で」


COMPANY: 

Work, work!

「どんどんいけいけ」


ANGELICA: 

Angelica! 

「アンジェリカ」


COMPANY: 

Work, work!

「どんどんいけいけ」


ELIZA: 

Eliza! 

「イライザ」


PEGGY: 

And Peggy! 

「それからペギー」


COMPANY: 

Work, work!

「どんどんいけいけ」


ALL SISTERS: 

The Schuyler sisters!

「スカイラー姉妹」


COMPANY: 

Work, work!

「どんどんいけいけ」


ALL SISTERS (COMPANY): 

We’re looking for a mind at work! (Work, work!) Hey! Hey! (Work, work!) 

「私たちは躍動する精神を探しているの(どんどんいけいけ)」


ANGELICA (COMPANY): 

Whoa! (Work, work!) 

「ウォー(どんどんいけいけ)」


ELIZA & PEGGY (COMPANY): 

Hey! (Work, work!) In the greatest city 

「(どんどんいけいけ)最もすてきな町で」


ALL SISTERS: 

In the greatest city in the world! 

「世界で最もすてきな町で」


COMPANY: 

In the greatest city in the world!

「世界で最もすてきな町で」


解説:独立戦争における女性の役割。従来、独立戦争に関する研究は男性中心のものが多かった。なぜなら独立戦争で表舞台で活躍するのは男性ばかりであるうえに、研究者も男性が多かったからである。

近年、女性から見た独立戦争の研究が進んでいる。男装して性別を偽った例を除けば、女性が兵士として戦場に赴いた例はほとんどない。しかし、実は女性(「camp follower」と呼ばれる)も軍隊に同行することが多かった。妻や恋人として同行する女性もいれば、商売目的の売春婦、その他にも洗濯や針仕事などをこなす女性がいた。

家に残っている女性も前線で戦っている兵士たちのためにお金を集めたり、不足している靴下を縫ったり、服を送ったりしていた。こうした女性の活躍はほとんど目立たないものばかりだったので、なかなか研究されてこなかった。しかし、女性の助力無しでは独立革命はきっと成し遂げられなかっただろう。


ミュージカル『ハミルトン』歌詞解説6―Farmer Refuted 和訳

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