ミュージカル『ハミルトン』歌詞解説43―The Election of 1800 和訳

原文&和訳のみ解説なし⇒ミュージカル『ハミルトン』The Election of 1800 和訳


COMPANY:

The election of eighteen hundred.

「1800年の大統領選挙」


解説:1800年の大統領選挙は「1800年の革命」と呼ばれることが多い。ジェファソンはそれを「1776年の革命が政府の形体上の革命だったように、それは政府の原理上、真の革命でした。それは剣によって達成されたのではなく、理性的かつ平和的な改革の手段、すなわち人民の投票によって達成されました」と説明する。ジェファソンにとって「1800年の革命」は「第2のアメリカ革命」であった。さらにアメリカという広大な領域に共和制を樹立するという「実験」は、ジェファソンにとって「共和政ローマ時代以来、まったく例を見ない」ものでもあった。ジェファソンの理念はアメリカだけにとどまらず、「我々自身のためだけに行動するのではなく、全人類のために行動している」と述べているように全人類をも対象にしている。それは当時のアメリカの使命感を如実に示している。ジェファソンは次のような手紙を書いている。

我々が通り過ぎてきた嵐はまことに凄まじいものでした。我々のアルゴー号[ギリシア神話に登場する船]の頑強な乗組員は徹底的に試されたのです。アルゴー号は時に沈むかと見えながらも、何とか波を乗り越え進路をとりました。我々はアルゴー号を共和主義の進路に戻すでしょう。今、アルゴー号はその美しい動きにより建造者の巧みの技を示しています。[中略]。我が国では公正で確固たる共和政府が持続していますが、それは諸国民が目標とし真似をする模範となり、不朽の業績となるでしょう。私はあなた[ジョン・ディキンソン]とともに、諸国民が、我々をお手本にして、自由な政府こそ他のどのような政府よりも活力に富むことを理解するようになるという希望と信念を持っています。我々の革命とその重大性が大部分の人類を啓発しましたが、それは地球上の至るところの人々の状態を改善するでしょう。


Jefferson & Madison enter.


JEFFERSON:

Can we get back to politics?

「さあさあ政治に戻ろう」


MADISON:

Please?

「さあさあ」


JEFFERSON:

Yo. Ev’ry action has its equal, opposite reaction. John Adams shat the bed. I love the guy, but he’s in traction. Poor Alexander Hamilton? He is missing in action. So now I’m facing—

「あらゆる作用はそれに反発する同じ作用を生む。ジョン・アダムズはだめだね。私はアダムズが好きだが、彼は満身創痍だからね。かわいそうなアレグザンダー・ハミルトンはどうした。彼はへまをやっている。だから今、私が対面しているのは・・・」


解説:32—Washington On Your Sideと対になっている。ワシントン政権ではハミルトンはワシントンという後ろ盾があったが、1800年の大統領選挙が実施された時にワシントンはすでに亡くなっていた。


JEFFERSON, MADISON:

Aaron Burr!

「アーロン・バー」


JEFFERSON:

With his own faction.

「それと彼の派閥」


MADISON:

He’s very attractive in the North. New Yorkers like his chances.

「彼は北部ではとても人気がある。ニュー・ヨークの人々は彼に機会を与えたいと思っている」


JEFFERSON:

He’s not very forthcoming on any particular stances.

「彼はこれまでどのような立場なのか公表したことがない」


MADISON:

Ask him a question: It glances off, he obfuscates, he dances.

「彼に聞いてみてもはぐらかされたり、ごまかされたり、さんざん引っかき回されたり」


JEFFERSON:

And they say I’m a francophile: At least they know I know where France is!

「彼らは私をフランスびいきだと言っている。まあね、私はフランスがどこにあるかくらい知っているけどね」


MADISON:

Thomas, that’s the problem, see, they see Burr as a less extreme you.

「トマス、それは問題だ。彼らはバーを君よりも穏健だと見なしているから」


JEFFERSON:

Ha!

「ははは」


MADISON:

You need to change course, a key endorsement might redeem you.

「君は方針転換しなくてはならないよ。重要人物の支持があれば君は名誉を挽回できる」


JEFFERSON:

Who did you have in mind?

「君は誰のことを念頭に置いているんだい」


MADISON:

Don’t laugh.

「笑わないでくれよ」


JEFFERSON:

Who is it?

「いったい誰だい」


MADISON:

You used to work on the same staff.

「同じ面子で仕事するのがいいだろう」


JEFFERSON:

Whaaaat.

「何だって」


MADISON:

It might be nice. It might be nice. To get Hamilton on your side.

「それがいい。それがいい。ハミルトンを君の陣営に引き込もう」


JEFFERSON, MADISON:

It might be nice. It might be nice. To get Hamilton on your side.

「それがいい。それがいい。ハミルトンを君の陣営に引き込もう」


Burr campaigns in earnest.


BURR:

Talk less! Smile more!  Don't let 'em know what you're against or what you’re for! Charm her! It's eighteen hundred, ladies, tell your husbands: Vote for—Burr!

「あまり口を挟まない。にこにこする。何に反対しているのか、何に賛成しているのか誰にも教えないことだ。彼女を魅了せよ。1800年ですよ、淑女たち、旦那さんたちに伝えてください。バーに投票せよと」


解説:2—Aaron Burr, Sirと対になっている。この当時、特殊な事例を除けば女性に選挙権が与えられた例はない。また当時の大統領選挙は各州議会が選挙人を選ぶという方式であり、一般投票はほとんど実施されていなかった。


ENSEMBLE:

Burr! Burr! Burr! Burr! Burr! Burr!

「バー、バー、バー、バー、バー、バー」


MALE VOTER:

I don’t like Adams. 

「私はアダムズが好きじゃない」


解説:アダムズ政権期、連邦派が優勢を占めていた連邦議会は、フランスとの緊張が高まる中で外国人・治安諸法を制定していた。この法は言論の自由を損なう悪法として不評を買ったうえに党派対立を深刻化させた。


FEMALE VOTER:

Well, he’s gonna lose, that’s just defeatist.

「きっと彼は負けるわ。敗北主義者だもの」


ANOTHER MALE VOTER:

And Jefferson—

「それでジェファソンは・・・」


TWO MEN:

In love with France! 

「フランスにお熱さ」


ANOTHER FEMALE VOTER:

Yea, he’s so elitist!

「彼はエリート主義者だしね」


解説:ジェファソンは「天性の貴族」という考え方を持っていた。ヴァージニア政界で活動していた頃、ジェファソンは限嗣相続と長子相続の廃止を訴えていた。その当時、限嗣相続と長子相続によって、海岸地帯の広大な農園を代々所有する一握りの有力者がヴァージニア政界を左右していた。そのため、広大な農園を分割させることでヴァージニアの貴族的な特権を廃止し、社会的流動性を高め、「美徳と才能の貴族のために道を開くこと」がジェファソンにとって重要だったのである。その当時のヴァージニアでは土地を所有している者が選挙権を持っていたので、農園を分割することはすなわち選挙権を持つ層の拡大につながった。ヴァージニア社会に存在する貴族的な上層階級について次のようにジェファソンは述べている。

初期植民地時代、ごく少数しか土地を手に入れる者がいなかった時、ある先見の明がある人々が大きな区画の土地を手に入れて、彼ら自身のために偉大な家系を築き上げようと望んで子孫に限嗣相続を行うように定めた。独特な一連の家系として示される同じ家名の下で、世代から世代へ財産は受け継がれた。そうした家系は、法によって彼らの富を永続化させる特権を与えられ、貴族制を構成し、支配者層の奢侈と贅沢によって際立っている。

ジェファソンは、「こうした[生得的な]特権」を否定し、限嗣相続と長子相続といった封建的な制度を解体した。そして、「富の貴族」の代わりに、「美徳と才能の貴族」という概念を提示した。それは、血縁による貴族ではなく、個人の才覚に基づく「天性の貴族」を意味する。そして、ジェファソンにとって「天性の貴族」こそ秩序ある共和制にとって必要不可欠な存在であった。この「天性の貴族」は言うなればエリート主義である。


TWO WOMEN:

I like that Aaron Burr! 

「アーロン・バーがいいね」


A WOMAN:

I can’t believe we’re here with him!

「彼と一緒にいるなんて信じられないくらいだわ」


A MAN:

He seems approachable? 

「彼はなかなか親しみやすそうじゃないか」


ANOTHER MALE VOTER:

Like you could grab a beer with him!

「彼と一緒にビールを飲めればいいな」


ENSEMBLE:

Dear Mr. Hamilton: Your fellow Federalists would like to know how you’ll be voting.

「親愛なるハミルトン氏、あなたのお仲間の連邦派はあなたが誰を支持するか知りたがっている」


解説:1800年の大統領選挙は、武力によらずして政権交代を成し遂げたとして高く評価されている。またアメリカの政党政治が始まった年とみなされる。フィラデルフィアで幹部議員集会を開いた民主共和派は、ジェファソンを大統領候補に、アーロン・バーを副大統領候補に選んだ。当時は現代と違って全国党大会で大統領候補を指名するという形式はまだなかった。1831年9月26日に反フリーメイソンがボルティモアで最初に全国党大会を開催して大統領候補を指名したのを嚆矢とする。

大統領選挙の争点は主に国内問題であった。高まっていたフランスとの緊張が緩和されて外交における争点がほとんど意味をなさなかったからである。国内問題は、外国人・治安諸法が焦点であり、同法に抗議して発表されたケンタッキー決議とヴァージニア決議は広く普及しなかったものの、両決議で示された州権論が民主共和党の綱領となった。またジェファソンはアメリカが共和主義から逸れて君主主義的な傾向に向かっていると危惧していた。

一方、連邦派は、ジェファソンに対して、フランス革命の過激派と繋がりがあるという批判を行ったり、無神論者であるという非難を浴びせたりした。例えば、もしジェファソンが大統領に選ばれれば、「殺人、強盗、強姦、不倫、そして近親相姦が公然と教示され実践されるだろう」と非難している。またコネティカットのある聖職者は「主が我が国の頭に荒涼とした無神論者を置こうとするとは思えない」と述べている。

一方、対立候補の現職アダムズは、対仏戦争を求める連邦派の意向に反してフランスとの緊張を緩和させたことで、連邦派の支持はほとんど望めなかった。さらに連邦党の中心人物であったハミルトンはパンフレットでアダムズを攻撃した。ハミルトンによれば、アダムズは短気で癇癪持ちであり、およそ大統領にふさわしくない人物であった。

アダムズの敗北は1800年春にはすでに予期されていた。ニュー・ヨーク州議会で民主共和派が多数を占め、12票の選挙人票がアダムズからジェファソンに移ることが確実視されたからである。このニュー・ヨーク州で起きた連邦派と民主共和派の勢力逆転は1800年の大統領選挙で民主共和派が勝利する主な要因となった。アーロン・バーが副大統領に選ばれたのは、この勢力逆転に貢献したからである。


HAMILTON:

It’s quiet uptown.

「静かな郊外で」


MEN:

Jefferson or Burr? We know it's lose-lose. Jefferson or Burr? But if you had to choose.

「ジェファソン、それともバーのどちらかだ。互いに利益なんかないだろう。ジェファソン、それともバーのどちらかだ。でももしどちらかを選ぶとしたら」


解説:11月30日の時点で、ジェファソンの見積もりでは、アダムズの53票に対して58票を獲得し、勝利は確実だと思われた。しかし、その後、ロード・アイランドの票がアダムズに流れたので、勝敗はペンシルヴェニア州とサウス・カロライナ州の結果によることになった。ペンシルヴェニア州の州議会が膠着状態に陥っている一方で、サウス・カロライナ州は僅かな差で民主共和派の手に帰した。

選挙人投票は1800年12月3日に行われ、138人の選挙人(16州)がそれぞれ2票ずつ票を投じた。ジェファソンとバーは同じく73票を得た。その一方で現職アダムズは65票しか得られなかった。ニュー・ヨークから1票も得ることができなかったことがアダムズの決定的な敗因になった。

ここでジェファソンとバーの得票が同数であることが問題になった。当時は単に最多得票の者が大統領に、次点の者が副大統領に選ばれるという規定しかなかったためである。当初の予定ではロード・アイランドの選挙人の中の1人がジェファソンに投票する一方でバーに投票しない計画であった。そうすることで得票が同数になる事態が避けられるはずだとバーは確約していた。しかし、ロード・アイランドが連邦派の手に落ちたためにバーの約束は反古となった。そのためジェファソンとバーの票数が均衡することになった。民主共和派はバーに譲歩を求めたが、バーはそれに従わなかった。

1801年2月11日、憲法第2条第1節第2項の「過半数を得た者が2名以上に及びその得票が同数の場合には、下院は秘密投票により、そのうちの1名を大統領に選任しなければならない」という規定に従って、連邦下院で決選投票が開始された。各州がそれぞれ1票を投じ、全体の過半数、つまり、16票のうち過半数である9票を占めれば大統領に当選される。各州がどちらに票を投ずるかは、州選出議員の多数決によって決定された。

ジェファソンが8州を押さえていたのに対し、バーは6州を押さえていた。残りの2州、ヴァーモントとメリーランドでは、州選出議員の票数が均衡し、両者ともに票を獲得することができなかった。

連邦派の多くはバーを支持していたが、ハミルトンはバーよりもジェファソンを支持していたので、ジェファソンが当選するように働きかけた。その一方で上院議長に大統領の職務を代行させようという案が持ち上がった。ジェファソンはその案に対してアダムズに拒否権を行使するように求めた。しかし、アダムズは事態に介入することを断った。過激な民主共和派の中には、もしジェファソンが大統領の座に就けなければ武力蜂起を厭わないと仄めかす者さえいた。連邦解体の危機を未然に防止するためにジェファソンは憲法修正会議の開催を一時、検討していた。

幸いにも2月17日の36回目の決選投票でようやくジェファソンの大統領当選が確定した。それは、ヴァーモントとメリーランドでそれぞれバーを支持する議員が棄権したために均衡が破れたためである。それはハミルトンの働きかけがきっかけである。このようにして1801年2月の危機は回避された。この危機が契機となって憲法修正第12条が加えられた。

結局、ハミルトンはアダムズを排斥して決選投票で手を貸すことでジェファソンの当選に一役買った。その結果、ジェファソン、マディソン、モンローの3人が24年にわたって大統領職を継承していくことになる。その一方でバーはすぐに引き下がらなかったためにジェファソンの恨みを買って、後に1804年の大統領選挙で副大統領から外されることになる。


WOMEN:

Jefferson or Burr? We know it's lose-lose. Jefferson or Burr? But if you had to choose.

「ジェファソン、それともバーのどちらかだ。互いに利益なんかないだろう。ジェファソン、それともバーのどちらかだ。でももしどちらかを選ぶとしたら」


EVERY MORE VOTERS:

Dear Mr. Hamilton: John Adams doesn’t stand a chance, so who are you promoting? But if you had to choose.

「親愛なるハミルトン氏、ジョン・アダムズは勝てそうにない。ではあなたは誰を応援するのか。でももしどちらかを選ぶとしたら」


MEN:

Jefferson or Burr? We know it's lose-lose. Jefferson or Burr? But if you had to choose.

「ジェファソン、それともバーのどちらかだ。互いに利益なんかないだろう。ジェファソン、それともバーのどちらかだ。でももしどちらかを選ぶとしたら」


WOMEN:

Jefferson or Burr? We know it's lose-lose. Jefferson or Burr? But if you had to choose.

「ジェファソン、それともバーのどちらかだ。互いに利益なんかないだろう。ジェファソン、それともバーのどちらかだ。でももしどちらかを選ぶとしたら」


Burr appears.


HAMILTON:

Well, if it isn't Aaron Burr. Sir!

「やあアーロン・バーじゃないか」


BURR: 

Alexander!

「アレグザンダー」


HAMILTON:

You’ve created quite a stir, sir!

「君はうまく引っ掻き回してくれたな」


BURR:

I’m going door to door!

「戸別訪問で大忙しさ」


HAMILTON:

You’re openly campaigning?

「君は選挙運動をしているのかい」


BURR:

Sure!

「もちろん」


HAMILTON:

That’s new.

「初耳だな」


BURR:

Honestly, it’s kind of draining.

「実はなかなか大変なんだ」


HAMILTON:

Burr—

「バー・・・」


BURR:

Sir!

「それで」


HAMILTON:

Is there anything you wouldn’t do?

「君は何を目指しているんだい」


BURR:

No. I’m chasing what I want. And you know what?

「いいや何も。私は自分が好きな通りにやっているだけさ。それで君は」


HAMILTON:

What?

「何だって」


BURR:

I learned that from you.

「私は君から聞きたいのさ」


ENSEMBLE:

If you had to choose If you had to choose

「もしどちらかを選ぶとしたら。もしどちらかを選ぶとしたら」


MADISON:

It’s a tie!

「票数が同じだ」


ENSEMBLE:

If you had to choose If you had to choose

「もしどちらかを選ぶとしたら。もしどちらかを選ぶとしたら」


JEFFERSON:

It’s up to the delegates!

「そうなると下院議員しだいだな」


ENSEMBLE:

If you had to choose If you had to choose

「もしどちらかを選ぶとしたら。もしどちらかを選ぶとしたら」


JEFFERSON, MADISON:

It’s up to Hamilton!

「そうなるとハミルトンしだいだな」


VOTERS:

If you had to choose, If you had to choose, If you had to choose, choose, choose!

「もしどちらかを選ぶとしたら。もしどちらかを選ぶとしたら。もしどちらかを選ぶとしたら。もしどちらかを選ぶとしたら」


MADISON, ENSEMBLE:

Jefferson or Burr? Choose, choose, choose!

「ジェファソン、それともバーのどちらかだ。選ぼう、選ぼう、選ぼう」


ENSEMBLE:

Jefferson or Burr? Choose, choose, choose!

「ジェファソン、それともバーのどちらかだ。選ぼう、選ぼう、選ぼう」


Hamilton steps forward.


HAMILTON:

Yo.

「やあ」


ENSEMBLE:

Oh!

「おお」


HAMILTON:

The People are asking to hear my voice.

 「人々は私の声を聞きたがっている」


ENSEMBLE:

Oh!

「おお」


HAMILTON:

For the country is facing a difficult choice.

「国家にとって難しい選択に直面している」


ENSEMBLE:

Oh!

「おお」


HAMILTON:

And if you were to ask me who I'd promote—

「もし誰を応援するか聞かれたら・・・」


ENSEMBLE:

Oh!

「おお」


HAMILTON:

Jefferson has my vote.

「ジェファソンを応援しよう」


JEFFERSON, MADISON, ENSEMBLE: 

Oh!

「よし」


HAMILTON:

I have never agreed with Jefferson once.

「かつて私はジェファソンと対立していた」


JEFFERSON, MADISON, ENSEMBLE:

Oh!

「おお」


HAMILTON:

We have fought on like seventy-five different fronts.

「我々は1775年のように違う前線で戦っている」


解説:独立戦争開始当初、ハミルトンは戦場に、ジェファソンは大陸会議で活躍した。


JEFFERSON, MADISON, ENSEMBLE:

Oh!

「おお」


HAMILTON:

But when all said and all is done. Jefferson has beliefs. Burr has none.

「しかし、有言実行だった。ジェファソンは信念を持っている。バーには信念がない」


ENSEMBLE:

Oooooooooooooh!

「おおおおおお」


Madison & Jefferson exchange a glance, as the company hurries away.


MADISON:

Hamilton's on your side.

「ハミルトンが君の側についたぞ」


ENSEMBLE:

Well, I’ll be damned. Well, I’ll be damned.

「そんなことがあるもんか。そんなことがあるもんか」


JEFFERSON:

And?

「それで」


MADISON:

You won in a landslide.

「君は大勝利を収めた」


Burr enters.


BURR:

Congrats on a race well-run. I did give you a fight.

「健闘を称えます。私の負けです」


JEFFERSON:

Uh-huh.

「ああ」


BURR:

I look forward to our partnership.

「あなたと手を結びたい」


JEFFERSON:

Our partnership?

「手を結ぶだと」


BURR:

As your vice president.

「あなたの副大統領として」


JEFFERSON:

Ha. Yeah, right. You hear this guy? Man openly campaigns against me, talkin' ‘bout, “I look forward to our partnership.”

「ははは、それはいい。ご冗談を。私に公然と対抗した男が『あなたと手を結びたい』だと」


MADISON:

It is crazy that the guy who comes in second gets to be vice president.

「次点になった者が副大統領になるなんて馬鹿げている」


JEFFERSON:

Yeah, you know what? We can change that. You know why?

「あのな。そんなものは変えてしまえる。あのな」


MADISON:

Why?

「それで」


JEFFERSON:

Cuz I'm the President. Burr, when you see Hamilton, thank him for the endorsement.

「私が大統領だからだ。バー、ハミルトンに会ったら私を応援してくれてありがとうと言っておいてくれ」


Jefferson exits with Madison. Burr is alone.


ミュージカル『ハミルトン』歌詞解説44―Your Obedient Servant 和訳

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